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'94NSR250R-SE(MC28)
UP SIDE DOWN FORK

〜 倒立フォークへの道 〜

NSRの倒立化はけっこう憧れる方がいると思います。
かくいう僕もその1人なわけで

NSR倒立化のメリット・・・それは見た目!
正立に対する性能的アドバンテージは選択するパーツにもよると思いますが多分無いと思います。
重量増、正立として設計された車体とのマッチング、ハンドル切れ角の減少・・・etc.
デメリットはたくさん思い浮かびます。
が、それを考えても見た目という点であまりある魅力があります。バリマシ世代の方は特にそうなんじゃないでしょうか。
サーキットで0.1秒を争うわけではなく、乗ってて楽しい、いじってて楽しい、そんな楽しいバイクライフを送るのならまぁ一度は試してみてもいいかなと。
やって後悔してまた元に戻すのもいいんじゃないかということで計画発動です。





1.素材選び


まずはフロント周りの選定から始めなければなりません。
僕の選定条件は
・値段が安いこと(貧乏チューンでは最重要課題)
・流用が簡単
・フルアジャスタブル(マッチングのまずさを少しでも回復させるため)
・フロントホイールとリヤホイールのデザインが統一できること
・入手性が比較的マシなもの
・できれば250ccクラスのもの

RS250(HRC)
理想ですが流通量が少ない、値段が高い。

RVF
定番っちゃ定番。けっこうタマ数はあるけど最近高騰気味。JHAのスプリング購入も考える必要あり。
キャリパー、ホイールはNSRのものが使用可。

RS250(アプリリア)
けっこう安く出回っているが、補修部品の入手性に難あり。

ZXR250R
フルアジャスタブルらしいけどなんとなく微妙・・・キャリパーも2ポッド

RGV250Γ&TZR250R
流通豊富。ブレーキ、ホイールをどうするかが課題。

そんな理由からRVF、RGV250Γ、TZR250Rの3択に絞られました。
やっぱRVFかなぁって思ってたときに、掲示板でTZRとNSRはローター径がほぼ同じなんでキャリパーは横方向のオフセットだけでなんとかなりそうと言う情報を頂きました。その情報を元に色々調べてみると、ローター径もさることながら左右のローター間距離もほぼ一緒であることがわかりました。アクスルシャフト径の違いさえなんとかしてやればホイールとブレーキの問題はほぼ解消されることになります。
というわけで、TZRの倒立を組んでるNSRはあまり見ないこともありTZRの倒立に決定しました。

※フォークオフセット
ハンドリングに影響する重要なファクターとしてフォークオフセットという物があります。フォークのオフセット量とは、トップブリッジを真上から見た時のステムシャフト中心と左右のフォークの中心を結んだ三角形の高さのことになります。一般にこの距離が短くなるとクイックに、長くなるとマイルドになります。極力ノーマルのハンドリングに近くするためにはNSRのオフセット量である35mmと同じ物を選ぶ必要があります。今回選択したTZR(3XV)のオフセットも35mmです





2.素材収集


基本方針はステムシャフトの打ち直し、ホイール段付カラーの製作ということで以下のものを集めました。

【TZR用】
・フォーク(TZR-SPR用のフルアジャスタブル)、ステム、トップブリッジ、アクスルシャフトのセット
※TZRは3XVだけでもフォークの種類が多数存在します。またフォーク径の違い等もありステムとフォークをバラで購入する場合注意が必要です。



・ハンドル



・ブレーキキャリパー



・フェンダー



【NSR用】
・ステム(安かったのでMC21用)





3.移植方針決定


TZR、NSRのステムを見比べます。


【左:NSR(MC21) 右:TZR(3XVC)】

ざっと見た感じ、以下の違いがありました。
・シャフト長 TZRの方が20mm程度短い
・アッパーベアリング内径 NSRΦ26mm、TZRΦ25mm
・ロアベアリング内径 NSRΦ30mm、TZRΦ30mm
・ステムシャフト圧入径 NSRΦ30mm、TZRΦ30mm(?)
・トップブリッジ穴径 NSR約Φ25mm、TZR約Φ24mm


ステムシャフトをただ打ち変えるだけだと、圧入のハメ合いの問題、トップブリッジとの穴径の違い、ステムナットとトップブリッジのフィッティングの問題が発生します。ロアベアリング内径が同じなんでステムシャフトを中間で切断して、芯出し&補強用のピンを差し込みNSRのシャフトの上側と再溶接という方針で進むことにしました。


【仕上がりはこんなイメージ】

この方法ですとシャフト抜き取り・再圧入の工程はありませんが、ピンだけで芯出しができるか、トップブリッジの穴をうまく拡大できるかという課題が残ります。





4.方針変更


アッパーベアリング用の汎用テーパーベアリングで、外形寸法がNSRと同じで内径寸法がTZRと同じものの存在を知りました。このベアリングを使えば問題はシャフト長のみと言うことになります。
現段階で一番スマートな方法はちょっと長めのTZRのステムシャフトをワンオフするという方法と思われます。
見積りを色々と取ってみたところステムシャフト製作から打ち換えまで安いところだと総額20000円と25000円(ともに送料別途)ぐらいでできるようでした。意外と安いと思いました。が、やっぱり貧乏チューンなんでやれる範囲であがいてみます。
ステムシャフトの製作、打ち変えの可能な設備は勤務先に存在しますが自分で自由にできる時間がない、工場が忙しい、分野が違うのでこういった作業経験が誰もないなどの問題が残ります。
なんで、簡単にいける方法と言うことで中間部分でぶった切り、延長用の軸を追加したあと再溶接という方法をとりました。


【仕上がりイメージの確認】

延長用のピンを制作しステムシャフトにつっこんだ状態です。
溶接用でシャフト断面をV字に削っています。


この後、ステム、フォーク、トップブリッジを組み立てて芯出しをします。またシャフト長の微調整を行っておきます。あとはガッツリと固定して溶接します。


【延長加工を施したステム】




【溶接部のアップはこんな感じです】





5.必要部品再確認


今回の方法だとNSR用のステムは不要と言うことになります。(シャフトはぶった切ってしまったわけですが・・・)
またアッパーのテーパーベアリングが必要になります。
アッパー:32005(TZR純正でも可)
アンダー:32006(NSR純正でも可)





6.ハンドルロック穴追加工


MC28のステムシャフトを見ながらだいたい同じ位置にハンドルロック用の穴を開けます。この時、切れ角の減少があるといけないので標準の位置より若干中心寄りに穴を開けます。
穴を開けたら実際にハンドルロックが施錠・解除できるか確認します。





7.問題発生


あとからわかったのですが、NSRのシャフトはTZRのものに比べてアンダーのベアリングを打ち込む部分のすぐ上から随分細くなっています。
TZRのステムシャフトをそのままNSRにつっこむとすんなり入るんですが、実はハンドルロックユニットに干渉します。
本来は旋盤でシャフトを細く切削してやるべきなんでしょうが、精度は必要ないしステムシャフトの肉厚も十分なので手っ取り早くグラインダーで削っていきました。





8.トップブリッジ加工


トップブリッジのキーシリンダーを取り付ける土台がMC28だと不要なので切り落とします。


【TZRのトップブリッジ、キーシンダーのブラケットが邪魔です】


グラインダーでやっつけました。けっこう気を遣う作業です。



【頑張って削り落としました】





9.ホイール移植


TZRのフォークにTZRのホイールなら全く問題ないのですが、NSRのホイールを取り付ける場合、シャフト径の違いから段付カラーの作成が必要となります。両方のフロント周りより寸法を採取しカラーを作成します。会社の同僚に作ってもらいました。
また、TZRのフォークのアクスルブラケットとインナーパイプを固定しているホロセットの部分がNSRのローターと干渉する恐れがあるので少し削ります。


【ホイール用段付カラー(SUS304製)】



【その後作り直した軽量タイプ】





10.キャリパー


TZRのものをそのまま使います。
※新品のブレーキパットはまだ試していませんが、オフセットの問題から入らない可能性があります(滝汗
マスターシリンダーは径が同じなのでNSRのもでも使えます。ホースはキャリパー側のバンジョーがダイレクトのタイプだと届かないかもしれません。





11.組み付け


各部の干渉等確認しながら組んでいきます。ノーマルフォークでの乗車時の車高を測っておき、移植後のフォークでも同じ車高になるように合わせます。
また、集合スイッチ等の位置決めの穴をハンドルに開け直します。
ラジエーターキャップに若干干渉しますのでラジエーターを交換か、ラジエーターのブッシュを取り外してずらすなどして対処します。





12.ハンドルストッパー


TZRのアンダーブラケットではハンドルストッパーの位置が合わないのでボルトを立てるなどして対処する必要があります。
TZRのアンダーブラケットを観察するとフレームの前側にストッパーを受けるものを取り付ければうまくいくことがわかりました。
メーターステーを利用してちょっとした部品を作り対処します。


【例のごとくsus304製】


フレームにメーターステーと供締めする形で取り付けます。
仮組みして極力切れ角が大きくなるように少しずつ削ります。

【左にハンドルを切り、ストッパーさせてるところ】



【ハンドルの切れ角はノーマル並みに確保できました。】





祝・完成!!


色々な方にアドバイスを頂きなんとか完成させることができました。
肝心の見た目は色のせいかちょっと地味で目立たない気がします・・・
峠、普段乗りでのインプレですが、サスセッティングもわからない鈍感な僕には良くなったとも悪くなったとも感じられないのでよしとします(w
ブレーキはもともとTZRのキャリパーは評判はいいし不満はないです。ダストシールを取っ払ったこともありダイレクトでコントローラブルな感じで気に入ってます。






総費用(嫁には内緒)


おおざっぱですがまとめてみました。
フォーク移植に約46,000円、フォークのOHに約6,500円かかったようです。
当初、移植を40,000円ぐらいで予定していたんでちょっとオーバーしましたがおおむね満足です

項目 金額 備考
フォーク、ステム、アクスルシャフト
(TZR-SPR)
23,100   インナーパイプの程度はあまりよくなかった・・・
キャリパ(TZR) 6,450    
送料 1,700    
ステム(NSR) 840   結果的に不要 
送料 1,100  
ハンドル(TZR) 1,600    
送料 900     
アクスルシャフト(TZR) 1,100   フォークに付属の物は微妙に削れがあったため別途購入 
送料 500  
ステムダストシール(NSR) 800 (概算)  
ステムベアリング アッパー 32005 400    
ステムベアリング アンダー(NSR) 1,600 (概算) 汎用品32006を使ったなら600円
ステムダストシール(TZR) 800    
MC18ラジエーター 300   結果的に不要
フェンダー(TZR) 2,300    
フェンダー用ボルト他小物 2,500 (概算)  
ブレーキフルード 0   手持ち使用
ステム加工 0   寸法出しは自分で、加工は勤務先同僚にて
ホイールカラー制作 0   寸法出しは自分で、加工は勤務先同僚にて
ハンドルストッパー 0   寸法出しは自分で、加工は勤務先同僚にて
フォークオイル 1,995    
スプリングコンプレッサー自作 500   フォークOH用
フォークシール 4,000 (概算)  
合計 52,485    






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